教室はこんな感じですね。
本来の五感を呼び戻す
自然の中で行動する上で大切な基礎となる「梟の目(Wide Angle Vision)」を練習し、視覚以外の感覚を体感してもらいます。
現代生活で陥りがちな視覚に集中することで体が緊張状態で疲れたり、嗅覚、聴覚、肌感覚、身体からのメッセージなどいろんなものが忘れられています。
歩き方
「狐歩き(Fox Walk)」は体力を節約し効率よく歩く方法で、同時に移動速度を落としてくれるので色々な情報を感じ、五感が高まります。
梟の目と狐歩き
意外と参加者の皆さんが喜んで下さって、「靴脱いでやっていいですか!?」とか「もっと!!」とか「気持ちよかったー!!」など反応してくれます。いつもこんな感じですね。
とても重要な技術の一つ
簡単そうで続けてやるのが難しい技術です。ただこの二つがうまくできれば、良いことも悪いことも様々な事に気が付くようになり、身を守るためにとても役立ちます。
世界中の野生動物や先住民はみんなやっています。
座学では
フィールドで見つかる足跡や痕跡の種類、識別方法を解説します。
動物の歩調パターン
参加者の皆さん、慣れない内容で混乱します。
わかりやすく映像も交えて
身体も動かす
説明や映像だけだと眠いので、身体を使った練習や遊びをよく取り入れます。
準備運動をしてやるのですが、僕もたまに足腰がつります。
フィールドでの痕跡の探し方
林内で実際に足跡をつけてその痕跡をたどっていきます。
薄暗い杉林内は結構難しいです。
色んな環境で練習する
自然の中で何かが動けば必ず痕跡が残ります。
初めは何も見えないように感じられても、体系的に順序立てて観察することで、身体が慣れてきて痕跡が見えてきます。
この時も狐歩きと梟の目が大切です。
トレイリング
トレイリングでは一連の様々な痕跡を見つけ出し、長い距離の先にあるゴールを目指します。
人数がいるときは無作為に探したり動いたりせず、体形や約束事など決めて全員で効率よく探します。
休憩はけっこう取る
聞きなれない内容だったり、田舎の不便な環境でけっこう疲れるのですね。休憩やリラックスの時間は多めにとります。
感覚瞑想
五感を高め自然を観察する練習として感覚瞑想があります。Seacret Spot や Sit Spot とも言います。
この練習を通して自然界のリズムや、動植物のうつろいを感じ、ゆっくりとした微妙な変化や動きに気が付くようになっていきます。自身の心と体の調和にも役立ってくれます。
夜は焚火を囲んでみんなでご飯です。
猪鹿庁さんが作っているジビエ肉やメニューがとても美味しい。
今回は結構みんな遅くまで飲みます。
好天の翌朝
日の出の4時半くらいからみんなで感覚瞑想をやってみます。みんなお酒を飲んで3時間くらいしか寝てないのですがしっかり起きてきました。
8時ころの朝食を交えてみんなで反省会をすると、驚くほど周囲の情報が集まるのですね。風や雲などの気象情報、野鳥や人間の活動する時間や場所、それらがどのように関連しあって作用しているのか。
この練習を何シーズンかできるだけこなすことで、驚くほど五感や気づきの感覚が養われます。
2日目は航法
地図判読と方位磁石の使い方を練習します。
半日で本当に基礎的な部分をやります。
皆さんあんまり寝てないので、座学と実技を多めにとります。
内容としては
地形図の見方
縮尺と等高線
北方向の種類
方位磁石のズレと修正
方位磁石と地形図の連動
現在地確認方法
こんなことをやりました。
天候に恵まれた2日間
今回は天気も良く参加者さんにも満足頂けたようでよかったです。
今回の続きの講座として、Intermediate Tracking と Advanced Tracking を8月のお盆近くに、また猪鹿庁さんと共催になる予定です。猪鹿庁イベントページ。イベントページでは追跡術応用編とストーキング&カモフラージュで告知されています。
Intermediate Tracking / 追跡術応用編
痕跡や足跡の風化、分析方法、痕跡ロスト対処、複数人での追跡行動などより専門的な内容が加わってきます。今回単体でも受講可能ですが、やはりBasic Tracking から受けていると面白いです。
これまで僕が経験した長距離偵察や捜索救助、先住民の追跡術から得た情報を元にしています。
Advanced Tracking / ストーキング&カモフラージュ
周囲の環境に溶け込み、自然のありのままを観察するために必要な、カモフラージュ技術全般を練習します。自らの姿や痕跡、動きや道具などのカモフラージュです。また野生動物の動きを取り入れた自然な動きをストーキングとして紹介しています。
※カモフラージュの注意点
教室内で行っているカモフラージュ技術はそのまま狩猟に転用しないように注意しています。法律で定められた狩猟行為を行う場合は目立つ安全ベストを着用し、暗くなる前に下山しとにかく違反や事故の内容にする必要があります。
ただし教室で話している根本的な技術である、動き方や動く場所、匂いやコントラストの抑え方などは忍び猟や罠猟に直結する技術で、例え目立つ安全ベストを着ていたとしても、しっかりと機能するものです。