Tracking

 

トラッキング=追跡術についてまとめています。

 

狩猟に限らず、登山やキャンプでの遭難や危険動物、災害回避にもかならず役立ちます。

追跡術

 

自然の中で生きる上で、自然の様々な情報を感じ取ることが大切で、追跡術=トラッキングはそれを助けてくれます。擬装⁼カモフラージュは自分を自然の一部にする技術で、自然本来の乱れていない情報を得るために必要です。生存自活⁼サバイバルは自然の中で生きるため技術です。トラッキング、カモフラージュ、サバイバルは自らの五感と気づきの間隔を高めてくれます。

 

僕が追跡技術を初めて知ったときは、単に足跡を追っていくだけの技術だと思っていました。それがだんだん足跡だけでなく、自然全般の痕跡を追うためのものだと気が付いたのですね。しかも追うためには様々な技術が必要になってくることも。

 

最後に僕が先生に追跡術について教えてもらったことです。

 

いかに自然に近づき知ることができるのか

いかに自然を味方につけるか

いかに自然と一つになれるか

 

未だにこんな境地には達していませんが、目標として進んでいきたいと思っています。

追跡術の実際の活用

 

・周囲に獲物の気配を感じる…地形や足跡、糞、食痕、寝跡など探すことで、その大まかな地域に獣がいるかを判断する

・早期警戒…新しい痕跡を見つければ、停止や索敵、発砲準備などをして、痕跡が無ければ警戒度を下げ早めに移動したりする

・手負いの獲物の発見…血痕や足跡、臓器など動物の残した痕跡や、地形を読み獲物を探し出す

 

基本は先に獣を見つけるために追跡術を使う。その方がこちらが有利。

 

※獣に先に見つかった場合…積雪地なら、雪上の足跡を容易に追跡できるが、無積雪の森林や草原地帯は追跡が難しい。下層植生が少なかったり、群れが大きければ追跡できることもある。

 

 

追跡術の要素

・動き 狐歩きと梟の目 動物の歩調パターン 動物の身体の使い方                      
・痕跡 足跡の種類 足跡の計測 糞 体毛 食跡 臭い 獣道 寝跡          
・風化 時間経過と天候による痕跡の変化について
・野鳥 野鳥の動き 鳴き声
・擬装 動き 臭い 服 精神
・航法 地図判読 方位磁石 太陽や星 遭難対処
・追跡

プロファイリング 5W1Hの考え方 痕跡の追い方 単独・複数人での動き ロスト対処 追跡棒 対追跡

・感覚

感覚瞑想 環境における通常の状態と波紋の概念

・護身

護身術 対人無音処理技術

・野外での衣食住 体温保持 住居 火と水 食 解体 革鞣し 罠 紐 石器 野草 野外衛生

 

気づきの感覚

 

自然界で生きるためには、いかに自然の様々な情報を知り、些細な変化や異常を感じ取れるかが大切です。

 

気づき⁼Awareness は重要なサバイバル技術の一つで、自然からのサインを感じるために一番大切な感覚です。この感覚を養うために、瞑想や自然の観察方法があります。田舎でも都会でも問題なく練習することができます。

 

 

野生動物のプロファイリング

 

あえて書くことはアナログな方法ですが、自分で必要な情報を調べて、形にすることで、自然とそれが自分の体に消化吸収されます。そうすると、自分で意識しなくても、体が自然と反応する時があります。無意識に鹿を見つけたりとか。あとはそれが何らかの危険回避に繋がることもあります。

 

野生動物から体の使い方を学ぶ

 

野生動物の身体の使い方を学ぶことで、獣を見つけ、近づいたりできます。また体力の消耗を抑え射撃や危険回避等にも役立ちます。

 

 

地表で見つかる痕跡の基本要素

 

・圧力

・移動

・破壊

・色

・異物

 

フィールドで見かける動物の痕跡

 

・糞

・足跡

・体毛

・臭い

・獣道

・寝跡

 

 

痕跡を観察するコツ

 

・地面の痕跡は、できるだけ低い高さから観察する

 

・光源→痕跡←自分の目

 

・ふくろうの目を使って広く周囲を見る

 

・痕跡の持ち主の気持ちになってみる

 

・風化の要素を知る

 

・5W1Hを考える

痕跡の風化と時間経過の要素

 

・新しい痕跡は柔らかく湿っていて輪郭がはっきりしている

 

・古い痕跡は硬く乾燥して輪郭がなだらかになっている

 

・風化の仕方や進行速度は気象によって変化する

 

・痕跡は生きものと同じ

 

・痕跡の風化と時間経過を読むためには過去1週間程度の気象情報や地質、植生など知る必要がある

具体的に

 

・日照と風による足跡の風化:地形は徐々に平らでなだらかになっていく。土や雪は基本的に同じ

 

・雨による地形の浸食:水によって地形は徐々に溝が刻まれていく

 

・色の変色:新しい足跡や植物の破壊は湿っていて黒い色だが、だんだん薄い色になっていく

 

・異物の移動と侵入:時間が経過すると足跡に葉っぱや枝、虫や蜘蛛が入ってくる

 

・異なる痕跡の上書き:時間が経過すると足跡の上に、新しい動物の足跡や雨、風の痕跡が上書きされていく

 

5W1Hの考え方を使う

・Who…どんな動物が?

・When...いつ?

・Where...どこから来て、どこへ向かったのか?

・What...そこで何をしていたのか?

・Why...それはなぜ?

・How…何かしていたのなら、どのように?

 

こんな風に5W1Hを痕跡の持ち主に当てはめ、その行動や理由などを感じ取ります。

足跡の基本

 

足跡の全体の形、例えば犬なら卵型の形になる。全体の形を覚えておくことで、鮮明に足跡が見えない草や苔、雪の中でもおおよその足跡の識別ができる。また足の形はその生き物の能力を表しているので、相手の情報を得る手がかりになるので覚えておくとよい。

 

 

・犬系…走るのに適していて縦長な楕円形をしている。爪マークが付く。

 

 

・猫系…忍び歩きに適していて横の楕円形をしている。爪マークはつかないことが多い。

 

 

・鹿猪系…鹿は先が細いハート形、猪は鹿よりも全体的に丸っぽい感じ。

 

 

・兎系…長い後ろ脚と犬系のような前足が特徴。爪マークも地面に移る。

 

 

蹠行系…手先が器用で何か掴んだり、高いところに上るのが得意。

足跡の計測

 

足跡の計測をすることで相手の身体的特徴を知る手がかりになり、特定の相手の識別や追跡に役立つ。また相手の体長や性別、大まかな生物種なども予測できる。

 

講座の「intermediate Tracking」でやっています。

 

各部名称

 

・Inner Track‐指の間にできる足跡

・Outer Track‐指の外にできる足跡

・Claw‐爪のこと

・Toe‐指先のこと

・Heel Lob‐肉球後端のもっこりのこと

・Heel Pad‐掌の肉球の事

※指先番号は①~⑤まである。①が人間の親指にあたるが、犬猫の①は手首付近につているので跡が残らない。

 

・Overrall Track‐足跡の地表近くは足の接地圧によって横方向に広がる

・True Track‐計測に使う足跡本来の大きさ

・Horizon‐地表

・Floor‐足跡の底の面

・Track Wall‐足跡側面の壁

足の移動量の計測

 

 

 

歩調を知る

 

Gate Patternともいう。動物ごとの歩調を知っておくと、足跡を探すときに役立ちます。

 

痕跡を見失った時(LOST)の対処

・最新の痕跡を注意深く観察する

・弧を描く

・雷を描く

・円を描く

・跳躍追跡

・地形追跡

・予測追跡

複数名での行動の要素

・縦隊

・菱形

・間隔

・役割分担

・合図の手段

・無音信号

 

擬装・カモフラージュの要素

・動き

・身体の色や形

・臭い

・精神

・相手の五感に訴えるもの

 

野鳥の行動学

 

 

野外の衣食住

 

外で活動する場合、自分でリスクに対処するセルフレスキュー能力があるとよいです。