Scatology

 

野山ではいろいろな動物の痕跡があります。

 

その中でも糞は観察しやすく、風化の状態や動物種毎の特徴を知っておけば、追跡にも役立ちます。

 

※)今回は糞の写真ばかりです

※今回は自分がよく知っているニホンジカ、犬系、猫系を主に書いています。

糞の風化について

 

見つけた糞が新しいのか古いのか、判断するための簡単な指標があります。

新しい糞

 

・ねばねばした粘液で覆われている

・つやつや潤っている

※多少古くても、夜露や雨に濡れて、新しい感じに見える事があるので、下記の古い状態の糞の特徴を考慮する

 

古い糞

 

・かぴかぴに乾燥してひび割れている

・色あせている

・糞虫に食べられて穴が開いている

草食動物の糞

 

・糞の中は緑の繊維質でいっぱい

・水分の多い餌の時期は湿り気があり、濃い緑色をしている

・水分の少ない餌の時期は湿り気の少ない、乾いた薄い色をしている

 

ニホンジカの糞

 

 

・黒豆状の糞をたくさんする

・大きさは個体差があって小さい子供サイズから大きい成獣サイズがある

・パラパラとけもの道に沿って落ちている、歩きながら糞をしているので

・新しいものはねばねばしている

・水分の多い餌を食べる時期の糞は黒豆が集合した塊の糞をする

・糞中の発生状況は年によって変化し、それに応じて鹿糞も残ったり消えたりする

・新しい糞は食べれる

・あんまり臭くなく、踏んでも平気

・カモシカも黒豆状の糞だが、立ち止まって一か所に糞をするのでかたまっている

 

肉食動物の糞

 

・捕食直後で、獲物の内蔵を食べた糞は、どろっとしていて固まっていない場合もある

・内蔵を食べた後の糞は、割とすぐに分解されたり風雨などで数日のうちに消えてしまう

・内蔵を食べた後の糞は、血液を多く含んでいるので乾くと灰色で粉々になる

・獲物の肉を食べた糞は、獲物の体毛や小骨が含まれていて、数週間残される

犬系の糞

 

・写真は野生のコヨーテの糞

・家犬、赤狐、灰色狼、コヨーテなど

・サイズは違っても共通の特徴がある

・らせん状にねじくれている

・獲物の体毛や体毛を含む場合特にねじくれる

・糞の一番最後に出てくる、肛門側は先細りの尖り形状

・ドッグフードの糞は上記の特徴は持たない

・雑食の犬系によっては木の実や虫の残骸も糞に含まれる

・他の獣の糞の上に自分の糞をすることがある

・けもの道や特徴ある場所に糞をすることがある

・臭い

猫系の糞

 

・写真は野生のボブキャットの糞

・家猫、ヤマネコ、ボブキャット、マウンテンライオンなど

・サイズは違っても共通の特徴がある

・ブロック状にぽこぽこに分かれている

・近くに砂かけ用に地面を引っ掻いた跡がある

・食べきれない猟の獲物は茂みに引っ張りデブリをかける

・獲物の消化器系内蔵のみを器用に除去してその場に捨てる

・けもの道や他の獣の糞の上に自分の糞をすることがある

・臭い

 鼬系の糞

 

・イタチ、テン、オコジョなど

・犬系より小さくて短い

・捕食した獣の体毛や骨が含まれる

・岩やけもの道など目立つ場所に糞をする

・臭い

雑食系の糞

 

・木の実や獣の体毛、骨などが含まれて時期や場所によっていろいろ変化する

猪の糞

 

・猫系にも似たブロック状になっていることがある

・内容物は堅果類ほか獣の体毛など含まれる

・個人的には、糞があるところはけっこう罠で捕獲できる

・臭い

狸の糞

 

・けもの道の真ん中や茂みの中に貯め糞がある

・内容物は時期によって異なる

・沢ガニ、ザリガニ、銀杏の種、銀杏の種などいろいろ

熊の糞

 

・明らかにタヌキやキツネより大きいのでわかる

・内容物は果実や堅果類、獣の体毛や骨など時期による