フィールドでよく見かける獣の痕跡を簡単にまとめています。
ニホンジカ多めです。
痕跡を探すコツ
・特別な場所の法則を知る
・トランジッションエリアを知る
・動物の動きや生態を知る
・地形図の見方を知り、地図上から野生動物の良そうな場所を予測してみる
特別な場所の法則
・そのエリアで乏しい要素、例えば広大な人工林内の天然林で堅果類がある場所は獣の痕跡を見つけやすい
・急峻な地形の中の平らな地形、なだらかな尾根、鞍部
・稜線上は水が無いが、人工林の杉ヒノキは水を湧き出させるので、尾根近くのヌタ場、水場を探してみる
・里山周辺の整備されてない藪や草地など
トランジッションエリア
・地形や植生が変化している場所のことで、獣の痕跡を見つけやすい
・人工林と天然林、草原と森、川と山などの境目
・急峻な地形の中の平らな地形、なだらかな尾根、鞍部
・LOG「追跡術」も参考になります。
ニホンジカ
痕跡がありそうな場所の例
・比較的に平らな地形
・牧場、スキー場、別荘地、里山
・植生や環境が変化するところ
・写真は雑木と植林の境目で沢もある
・餌になる笹や堅果類のある雑木
・水が出やすい植林地はヌタ場ができる
・写真の場所は餌、水、交通、隠れる場所など集まっている
糞
・黒豆状の糞がぽろぽろ落ちている。
・幼獣の糞は小さく成獣は大きい
・新しい‐粘膜でぬるぬるつやつや、濃い暗い色
・ふるい‐乾燥でかぴかぴ、薄い明るい色
・鹿は歩きながら糞するので、糞が道に沿って散らばる
水分の多い餌を食べると糞はまとまった団子状になる。
体毛
・ヌタ場近くの樹木に体を擦ったあとがあり、樹皮などに体毛が絡まっている。
・地面にも落ちている
ヌタ場
・身体を擦ったときの体毛の跡が残っている。
足跡
・基本的に足跡は常に見えるわけではない
・Track Trapと言う一部の泥や砂地に足跡が残される
擦り跡
・発情期に、雄が体を地面に擦った跡。濃い足跡、体臭、体毛など残っている。
採食跡
・クマザサを引きちぎった跡
・枝から葉っぱがむしり取られた跡
・採食跡があれば通っている道や糞が近くにあるはず
けもの道
・痕跡の多い場所は濃い獣道も残っている。
・けもの道沿いにヌタ場、擦り跡、採食跡、体毛などある
春には雄の角が落ちている
鹿が媒介するもの
・ダニ。写真のズボン表面に見える小さいつぶつぶがダニたち
・ヒル。寒いところにはいないが、暖かいところはたくさん
・鹿が通っているところに行った帰りは、衣服や体のチェックを必ずする。