Thankfulness

 

自然の中で生きていく上で、感謝する気持ちが大切です。

 

薄っぺらな建前ではなく、本当に感謝すること。直接狩猟やアウトドアには関係無いようで、とても重要のようです。

まずあまり感謝できていない自分

 

まず僕は普段の山間部生活で、心から感謝する事を忘れがちです。新鮮な空気や水、野菜、肉、静かな環境と少ない人と車、狩猟などで僕を鍛えて教えを授けてくれる動物たち…と多くの恵みを自然から頂いているのですが、今でも現代的なモノの消費から抜け出せていないのがお金に結びつき、結果僕の山での仕事や狩猟は生活資金を得るためになってしまい、自然への感謝を忘れがちなのです…

 

だから知り合いに、狩猟やジビエの事を何か聞かれても、正直に答えています。僕はただ自分と生活のためだけにやっているだけですと。山の生態系のためとか、山の命を有り難く頂くためとかそんな立派な事は言えません。

ONENESS

 

昔、アメリカ先住民の先生から「oneness」の考え方を教えてもらいました。この世界の全てのものは本来一つのもので、人間も自然の一部だったのですね。人と自然はお互いを必要としていて助け合い、自然は衣食住含め必要な全てのものを与えてくれ、人がいる事で自然が適切に手入れされて繁栄する、というような感じです。この世界が成り立っているのは、自然の中の数えきれない要素が複雑に絡み合っているからで、何一つ欠けてもいけない全てが大切な存在なのだそうです。だから先住民の人々は自然の中の全ての要素、草の1本から獣の命、石や水、風など全て平等に扱うし、生きていられる事がとても有り難い事なので毎日自然に対して感謝の祈りをしていました。

感謝して強くなる気づきの感覚

 

感謝する事は有り難さに注意して気が付ける事です。普段は無いようなこと、珍しいこと、些細なことなど、有り難い事に気が付ける、「気づき」の感覚はとても繊細なもので、時には自分に有益であったり危険な情報も教えてくれます。

 

先住民の先生は「気づき」⁼「Awareness」こそ最も重要なサバイバル技術だと教えてくれました。気づきの感覚があれば自然が教えてくれる些細な危険や有益な情報のサインを感じられるからです。気づきの感覚を養うため、つまり生きるために、獣の追跡や猟具作り、石器、薬草、野宿、瞑想、自然観察、治療などいろいろな訓練をしてもらいました。

 

先住民の先生は実際なんにでも感謝していました。毛皮の服や住居は感謝して大事に使えば長く自分を守ってくれ、感謝して作った刃物や石器は確実に獲物を仕留め長持ちし、動物に接近もしくは人から隠れるときには、周囲の植生に感謝し味方につけることで自分を包み隠し自分の音や臭いを消してくれる、と。人が自然の恵みを受けて、自然に感謝して手入れもする。だから自然も良いものを返してくれる、そんなことを言っていました。

強い人と弱い人の違い

 

僕が出会った強い人と弱い人の違いで一番大きかったのは、心の強さです。自然や家族、地域に対する感謝であるとか愛情など、なにかしら前向きな強い気持ちを持っている人は、最後まで踏ん張ります。身体が大きいだけの人は、心身共に追い込まれるとくじけます。逆に身体は小さくても、上記の心の強い人は諦めないです。自然の中ではそれが特によく分かります。

感謝が無くなると

 

現代では感謝することがなかなか難しいです。本来生きるために助けてもらっている必要不可欠な自然は、現代的な生活が壁となってあまり気にすることが無くなってしまいまうからです。

 

感謝の無い消費は何か怖いものがあって、自分のために死ぬ生き物の事も感じないし、平気でゴミに出してしまったりするのですね。食べ物に限らず水や植物、鉱物など何でもです。

 

感謝の無い野生鳥獣の捕獲も、ただの作業という名の殺戮でしかない気がします。実際に僕が見かけた何百と獣を捕る人は、表面上は建前を振りかざしますが実際は心が麻痺していたり、故障していたり邪道に進んでいます。そうなると、注意力や自制心、道徳心や人間性の欠如などで事故や事件などトラブルを抱えるようになります。

 

海外で対密猟(anti poaching)のために戦っている友人いわく、お金のために心を無くした人間達が密猟や凄惨な事をする、と言っています。

感謝できるように

 

時間やお金に余裕のない生活を見直して、もっと自然に寄り添い感謝できるようにしたいです。