秋になっても忍んで動物に近づいています。
そんな最近の様子です。
夜明けとともに山へ
事前に検討をつけておいたまだ行ったことのない山へ向かいます。
まずはのんびり歩きます。
始めの里近くの人工林はあまり獣と遭遇することが少ないので、始めはあまり警戒することなくのんびり歩きます。
この時地面に残る動物の痕跡なども探しながら進みます。
朝早くで気温が低いからか、蜂が枝の下で休んでいます。
蛇も岩陰でじっとしています。
動物の痕跡を見つける
標高を上げていくと、人工林を抜けて、広葉樹や松の生える天然林が多い場所に出ました。
地形も上にいくとなだらかな尾根になってきます。
そこで新し目の鹿糞と蹄で穴の空いた落ち葉を見つけます。
動物の集まるところ
新し目の皆伐植林地が斜面の一部に広がっていました。こんな場所は日が差すので、そこに生えてくる草を食べに鹿が集まってきます。
日向で見晴らしがいいので、こちらの姿をあまり晒さないように注意して進みつつ、斜面を見渡せる林内から様子を伺います。
また、遠くを見張らせるこんないい場所では遠くの景色と地図を照らし合わせて、獣の居そうな山も調べます。
周囲に新しい糞も散見できます。
新しい足跡もあります。夜のうちに皆伐地に通って草を食べていたのかもしれません。
中身の食べられた毬栗
鹿に菜食された下層植生
獣に近づく
鹿が少し駆け出したような新しい足跡。
鹿が先にこちらの存在に気が付いて逃げてしまったのだろうか。とりあえず静止してしばらく周囲を観察します。
獣の気配がするので、こちらも鹿の動きを真似てゆっくりと動きます。
数十mほど進んで尾根上に何か違和感を感じます。
鹿の可愛いお尻でした。
周囲に他の個体もいるようです。距離は15mほど。
元々捕獲する予定ではなかったのですが、この撃ち上げ射角だとバックストップが無いため発砲はしません。鹿のバイタルゾーンも見えない。
多分ですが、鹿の方が先にこちらに気が付いていたのかも知れません。しばらく鹿達も僕も木化けしてお互いの気配を感じます。
10分くらいして何か鹿に気取られたのか、タタッと鹿達は斜面を駆けて行きました。全部で3頭のメス達でした。
写真は鹿達が駆けて行った足跡。
その後しばらく広葉樹林の気持ちいい尾根を進むと、木々の間に違和感を感じます。
写真中央のナラの木の間に小さいオレンジっぽいものが見えます。こんな時は動きを止めてそっと双眼鏡で確認します。
距離50mくらいです。
双眼鏡で確認すると枯れ木でした。
こんな感じの違和感を大切にするように気をつけていて、よく確認してみると動物だった、ということがあります。
よく確認することで事故防止にも繋がります。
心地良い広葉樹林の平地があったので昼食をとりつつ、遠くの山から聞こえてくる雄鹿の鳴き声に耳を傾けます。地図と照らし合わせて、大体どの辺にいるのか推測します。
次第にウトウトしてきたのでポンチョに包まって寝てしまいました。
日も傾いてきたので下山経路へ向かいますが、夕方はよく獣と遭遇するため気を抜かずにゆっくり進みます。
元来た経路から雄の鳴き声が聞こえてきます。200mくらいでしょうか。あえてそちらへは行かずに、まだ未知の経路へ向かいます。
薄暗い植林地内で、木々の間に何か違和感を感じて止まります。同時にそれが頭を上げてこちらを見つめます。
距離70mくらいです。
メス鹿と目が合った感じがしましたが、鹿はそれほどこちらに気が付いていないのかも知れません。鹿の雰囲気からそれ程警戒や緊張は感じられません。
僕らの間には遮蔽物はなかったのですが、僕は暗い影の中を経路に選んでいたのが良かったかも知れません。
数分静止して鹿を凝視しないように観察します。
鹿は周囲に危険がないと判断したようです。
菜食に戻りました。この距離で障害物もないので確実に鹿のバイタルエリアを狙えます。
ぼんやり眺めていると、ムシャムシャ草を食べていて可愛いです。撃てる気がしなかったです。
その後もしばらく周囲を観察します。
木々の間に雌鹿3頭を確認できました。なんとなく今朝見た鹿達であるとわかります。
鹿達の動きから、最初に見た上の写真の雌鹿(右写真の一番右個体)がリーダーらしく感じます。
状況が許すならじっくり観察することで、群れの規模や警戒度、序列など把握し効率よく捕獲する戦術を立られます。
真ん中の個体
一番左の個体
そっと離脱
今回の忍びは情報収集が目的だったのであえて捕獲はせず、鹿達に気がつかれないようにそっと迂回して離脱しました。
鹿達には色々勉強させて貰いました。それだけで満足です。
その後無事に下山しました。
慣れると見えてくる鹿の姿。下写真内の木々の間に3頭見えますね。