Clothing Colors

 

 服の色について書こうと思います。

 

僕はいつも全身アースカラーの服装になることが多いのですが、その理由を書いておこうと思います。

 

 

よく周りの方々から、「ジーンズとかシャツとか普通の服持ってないの?」と何度も聞かれます。「…持ってるに決まってんだろ! 仕事に着てこないだけだよ!!」と内心叫んでいます。

アースカラーの服

 

僕は野山に行くことが多いので、そこに住む生き物を驚かせたり、あまり影響を与えないようにしたいと思い、一つのツールとしてアースカラーの服を選んでいます。カモフラージュと似た感じです。

 

静かに山を歩いて自然を感じ、いい写真を撮ったり、時には捕獲をしないといけない時もあります。そんなとき、自分で自然の状態を乱すのはあまり良くないと感じます。

 

地上の動物や鳥の仲間はアースカラーが多い

 

鳥や動物はみんな環境にあったいい色をしています。すごく凝った保護色の生き物もいますが、シンプルなアースカラーの生き物も多いです。世界中の原住民狩猟者もそれを取り入れているので、僕も彼らにならっています。

 

右写真のシカも、気をつけてないと気が付かないと思います。

 

アースカラーで自然に溶け込む

 

アースカラーはあくまで一つのツールなので、色や柄を取り入れたらたらいいと言うわけではないです。そこに自分の動き方や心の状態などの要素がうまく合わさって、初めてその効果が出ます。

 

隠れて忍び寄る、みたいな雰囲気を醸すと森のみんな怖がります。なのでみんなと同じ色になって、みんなと同じように自然に溶け込んで落ち着く。みたいな雰囲気を思い浮かべます。 

ちなみに原住民の方は

 

北米に住む原住民の狩猟者は、南はなめし皮の腰みのなど、北は毛皮を最高の猟装として使っていました。静かに動けて丈夫、熱や寒さに対応できる最高の服です。

 

兄弟姉妹である獣の命を頂き、その全てを受け継ぎ生きていく。原住民の使う毛皮は、獣の生命力や知恵を宿し、彼らを守ってくれます。

よく使う服

 

アースカラーのフリースや速乾のズボンはみんなユニクロやホームセンターで買っています。安価で種類がたくさんあり、性能も十分です。化繊は高熱で溶ける欠点はありますが、普段使う分には大丈夫です。フリースや柔らかいヤッケは乾きやすく軽量で、こすれる音が静かです。

 

お金があれば写真のパタグッチ(※1)ブランドをそろえたいところですが…厳しいですね。それに高価なギアでも、特に仕事とか猟で使うとぼろぼろになってしまいます。

※1パタグッチ  Patagucci = Patagonia + Gucci  高価なパタゴニアブランドにグッチを掛け合わせたアメリカの言葉。とりあえずアメリカのヨガガールはみんな着ている。

市販の迷彩服は

 

写真のような昔からある迷彩服はBDUとか呼ばれます。いろんなパターンがあり、丈夫で安価です。着こなせばお洒落もできてモチベーションやパフォーマンスの向上も期待できます。

 

ただ寒冷地で綿の服は厳しいかもしれません。またこれまでの一般的迷彩服に本格的なカモフラージュの効果を求めるのは厳しいです。パターンやコントラストが周囲の環境に合わないので、かなり浮いて見えます。シンプルなアースカラーの方が無難な気がします。

しかし最近のハンティングギアはすごい

 

右写真の木の幹にプレデターみたいにカモフラージュされている人が猟銃を持っています。もっとすごいのもあったのですが、すご過ぎてさっぱりわからないので、右の写真にしました。Realtreeという会社です。

 

既製品としてはかなり凄いと思います。上着だけでも何万円もするんだろうなーと思っていましたが、そんな事なかったです。日本に発送てくれるショップもあります。

本気の迷彩は自分で作る

 

基本的に本気の迷彩は自分で作るしかないと思っています。教室で作り方をやっていますが、僕が好きなのは写真の、A-tacsという近年ある迷彩パターンに似ています。

 

環境ごとに最新の迷彩ハンティングギアを準備できればいいですが、難しい場合もあります。適切な迷彩パターンの製品が存在しない場合もあるし、自分で作る術を知っておくといいです。

 

そして普段はアースカラーなヤッケへと

 

普段から本気の迷彩服を着ているといろいろ問題があるので、無難なヤッケの出番が多いです。

色盲の鹿

 

鹿は色盲と言われていて、狩猟の時に着るオレンジベストは見えないようなので実際着てても大丈夫です。しかし油断もできません。環境に対して濃すぎたり、薄すぎたりする色は、コントラストが大きく目立つ気がします。個人的な考えではありますが。なので、基本的に真っ黒な服装は避けていて、アースカラーがちょうどいいのかなあと思います。

ちなみに海外のシカは

 

わかりやすいアメリカのサイトがあったので参考にさせていただきました。シカは青から紫、紫外線まで見えているみたいです。なので、青や紫の服装は鹿にとって目立つ色になるかもしれませんね。紫外線が見えるので昼間より夜のほうが見えるようです。そして周囲310度くらいの視野で、動きにかなり敏感。ニホンジカではないので参考程度にしてください。

 

Buck Naked

http://trophybuckhunting.blogspot.jp/2012/06/deers-view-of-world.html

鳥には色が見えている

 

鳥たちは人より多く色が分かるみたいです。極端な話に感じるかもしれませんが、上記の鹿色盲に油断し不自然な色の服を着ていることで、鳥たちが怖がってそれが動物にも伝わってしまうことはありえます。まあ実際には、上でも書いたように、人の動き方とか気持ちが合わさって影響するのですが。

 

 

 

周囲のもの全てに気を配れるように

 

僕は野山に行くとき、周囲のもの全てに気を配れるようになりたいと思っています。例えば猪鹿猟をするとき、獲物の事だけでなく周囲の鳥たちや植物、地形や太陽、風、水など何でもです。

 

僕が学んだ先住民の文化では、自然は全てが相互に繋がり影響し合う一つの存在・ONENESSであり、人も本来その一部でした。周囲の全てのものに気を配り、繋がり、自身も自然の一部となることで、自然の声がいろいろと良い事を教えてくれます。だから先住民の方々は全てのものに感謝と敬意の気持ちを持っていたのですね。

 

...まあ、僕はさっぱりそんな境地には達していないので、ここでこんな偉そうな事を書いていてなんだか後ろめたい気がします。なので普段から感謝の気持ちを持つ事や、ただの精神論で終わらないために、野山で色々練習する時間を作っています。

 

今の社会は自然からも、そして周囲の人たちでさえ、繋がりが薄くなったり、逆に色んな壁が多くなっていると感じます。なるべくしっかりとした繋がりを、ゆったり持てる環境作りをしようと思っています。

目立つ格好

 

義務ではないですが、狩猟の時は目立つ帽子や上着の着用が推奨されています。

 

射撃の際は確実に目標と周囲の確認をするのが大前提ですが、もしうまくカモフラージュしている人が獲物の近くで待ち伏せ猟をしていたら、しかも距離がある場合、たぶん発見は難しいです。獲物を抜けた弾や兆弾が、まちがってその人にあたる可能性もあります。たとえ自分が狩猟していなくても、とりあえず山では目立つ格好の方が良いと思います。

 

写真のオレンジの人の側に、カモフラージュの人も立っていますね。

僕は安価で軽量なメッシュベストを必要な時に着ています。300円くらいで売ってました。

 

オレンジベストを着ていても、リラックスしたり、周りの自然に気を配った動きを心がけます。

 

迷彩パターンのオレンジ服もいいかもしれませんね。

 

 

あんまりアースカラーの格好でいると周りの人に心配されたり、からかわれたりするので、普段は社会的に自然な服装がいいですね。アメリカではとりあえずジーンズとTシャツとジャケットでいれば大丈夫でした。